〔第72回解読文・解説〕

解読文

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解説

儒学者・鈴木文台が粟生津村(燕市)に開設した私塾「長善館」

江戸時代の越後には、読み・書き・そろばんなど日常生活における基礎教養を授ける寺子屋が約800件を数えたといいます。私塾はそれを一歩進めた専門的中等教育機関といえるでしょう。長善館には12~13歳になった近郷の若者が、通学あるいは寄宿しながら学んだそうです。授業内容は主に中国経典などの漢学でした。明治時代にはいると時勢に応じて国史・算数など社会の実用にあわせた教育を展開しています。明治15年(1882)までの門人数は578人を数え、学者・文人・勤王家・政治家・医者・実業家など多数輩出した越後を代表する私塾です。この資料は長善館の学則です。

「長善館資料」は新潟県の文化財に指定されています。所蔵資料はこのほかに歴代塾長の日記や通学生規定や寄宿生規定などがあり、文選、四書などの教材として使われた和本類も含まれます。

資料請求番号:E9306-35-6